日本一長い歴史をもつベレー帽工場の職人さん

熊本県 | 73歳

【生産している主な商品】ベレー帽・帽子・キャップ
【製造していただいている商品】
・バスクベレー(ちょぼなし・ちょぼ付き) ・ウールキャップ
・シルク100ベレー ・リネン100ベレー ・TWOサイドベレー
・スタイリッシュベレー ・ピッグベレー


昭和29年からある日本で最も歴史の長いベレー帽工場。
敷地面積2,800坪といった膨大な土地に堂々と立つ工場の佇まいには、歴史を感じさせられる風景でした。


その当時から使用している機械や机など、他にも糸も綺麗にびっしり。
本当に大事に扱われている様子を拝見することができ、流石の一言しか出てきませんでした。
見ているだけで一日中いれてしまうような場所です。
Hummingbirdにとってのディズニーランドですね。(笑)
そしてなによりも職人さんの心意気が素晴らしい。

【帽子職人さんに10個の質問】


将棋が好き。
昔は投げ釣りやっていた。今は腕が痛くなるからやめたわ。
若い頃は写真や、スキーもやっていたよ、かなり多趣味なんだよ。
友人がリフトで上がったっきり返ってこなかったこともあったわ。
遭難したかと思ったがた事故だった。
毎年正月いってたけど、寒い場所は冷たいからもう耐えられない。
写真は30歳くらいまでは写真もやっていたわ。
歩くのしんどいから30歳位でやめたけどね。



身内が元々この工場を営んでいてその成り行きで大学生入学してすぐ、アルバイトから働いていた、特に志した訳ではないね。
その後すぐ一年ほどで大学はやめちまって、ベレー帽の会社に就職したわ。
この時代、就職できれば丸儲け。やりたいことも無いからすぐに入っちまった。


当時は儲かったからねー、売上を上げていくことにしか興味がなかったわ。
やったらやった分だけ儲かるから気持ちよかったねー。
今はただこれ以外できることが無いからやってるだけだ。
体に染み付いちまってやめる気も起きないわ、惰性みたいなもんだ。
完璧なものはこれからも作り続けますけどね。



注文たくさんもらえて生産が間に合わないぐらい忙しい時期は楽しい。
間に合わないくらい仕事があり続けるのが楽しい。
生産が間に合わないくらいが一番良い。


人材育成は凄く難しく大変な問題です。
若い子を入れるためには、福利厚生もしっかりするべきだし。
きちんとした計画をたてて人材育成をしていかなければならないから大変やね。
特に縫製と、染色の人材育成には骨が折れるわ。


編み立てと・染色やね。
編立がある程度できるようになるためには、最低でも二年以上はかかる。
特にキャップなんかは、つばと帽体を繋げなきゃいけないから、あれは一筋縄ではいかないわ。



もう一つは染色やね。
染色する時に素材のタイプを見分け、最適な温度、今まで収集した過去のデータを元に、ほぼ同じ色味で作らないといけないから。
目が良く、目利きのセンスがないとあれは無理だわ。
他にも染色は同じ糸、同じ円周で編み立てたとしても、数gは必ず差が出る。
なので商品一つずつを計量し、軽い商品には濃い黒などの染料を使用し、軽い商品には薄い白などの染料を使用してほとんど同じ重さにも
していかないといけない。
根気や技術も大事になるわ。


全てが終わって納品した後はやっぱり気持ちいわ。
まぁ当たり前だよね、そのためにやってるわけやから(笑)



今、日本のベレー帽工場で染色もできる工場はどこにもない。
全ての工程を自社でできるのはうちだけだからその部分では負けないね。
他にもそれぞれの工程の中にその工程のプロ責任者を必ず配備しているから、なにか予期せぬ事が起きた場合でも、すぐに解決できる。
納期遅れが少ないのと、商品クオリティもかなり高く仕上げられる。


職人は不器用な方が多いんだわ。
モノ作りに長けすぎてるから商売ベタな人が多い。
これからどんどん職人は儲からなくなっていくから
良いものを作りながらも、生産性をもっと考えていくべき。
もっと効率の良いやり方を考え時間の効率化を図らなければならないと想うわ。


生きている間は最高の帽子を作っていくからどんどん注文ください。



今回も忙しい中お邪魔したというのに、凄く楽しそうに話を聞いている私に対し、すべての工程を順番につきっきりで教えていただけました。
職人さん方はしっかりとした姿勢と、思いが通じればとにかく、優しい方が多いです。
なによりも帽子やベレー帽に関しては本当に詳しい。

一日中色々な話を聞くことができ本当に充実した一日になりました。
この文を見てはいないとおもいますが、、(笑)本当にありがとうございました!!

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